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直腸脱(腹腔鏡手術) Rectal Prolapse

直腸脱の日帰り手術

直腸脱は、ご高齢の女性に多くみられる疾患です。命にかかわる病気ではないとはいえ、「年のせいだから仕方がない」「今さら相談してもしょうがないかな…」と、長い間お一人で悩みを抱えている方も少なくありません。症状の性質上、恥ずかしさや不安から、ご家族や医療機関に相談しづらいかと思います。

直腸脱は手術によって症状の改善が目指せる疾患です。当院では、身体への負担に配慮した日帰り手術を提案しています。お一人で抱え込まず、一度当院までご相談ください。

直腸脱とは

直腸脱とは、直腸の一部あるいは全体が肛門の外に飛び出してしまう状態を指します。特に、ご高齢の女性に多く見られますが、若年層や男性にも発症することがあります。脱出の範囲により、直腸全周が反転して突出する「完全直腸脱」と、部分的に直腸が外へ出る「不完全直腸脱」に分類され、一般的には「直腸脱」と言う場合、前者を指すことがほとんどです。脱出する長さは個人差がありますが、10cm以上に及ぶケースも見受けられます。いぼ痔や脱肛とは異なる疾患であり、治療方針も全く異なります。

直腸が下がる原因は?

直腸脱は、加齢や出産を経たことによる骨盤底筋群や肛門括約筋の機能低下、直腸の固定不全、また排便時の過度ないきみが重なることで発症すると考えられています。そのため、女性に多くみられる傾向があります。

 

直腸脱はどんな症状が出る?

直腸脱はどんな症状が出る?排便時に直腸が肛門外へ飛び出すのが主な症状です。加えて、粘液や少量の出血によって下着が汚れたり、便失禁を伴ったりすることもあります。その他、慢性的な便秘、排便後の残便感、排便のしづらさなどが見られ、日常生活の質(QOL)を著しく低下させます。ご高齢の女性の場合、子宮脱や膀胱瘤、小腸瘤などの骨盤臓器脱を同時に抱えているケースも多く、注意が必要です。

 

直腸脱を放置するとどうなる?

直腸脱を放置すると、脱出する頻度や持続時間が次第に増加し、以下のような影響が生じる可能性があります。

  • 肛門括約筋がさらに緩み、脱出の程度が悪化する
  • 粘液や便により衣類が汚れ、生活の快適さが損なわれる
  • 外出や歩行が億劫になり、活動量や社会参加が減少する…結果として引きこもりや寝たきりの原因となる可能性がある
  • 介護者や家族に対する負担が増大する

このような経過をたどる前に、一度当院までご相談ください。

直腸脱の検査・診断

診察では、実際に直腸が脱出しているかどうかを確認します。診察時に脱出が見られない場合は、いきんでいただく「努責診」を行い、脱出の有無を確認します。ご自宅で脱出時の様子を撮影した写真をお持ちいただくと、診断がよりスムーズです。必要に応じて、排便造影検査(デフェコグラフィー)や骨盤部のCT検査を行うこともあります。より専門的な検査が必要と判断される場合には、別の医療機関への紹介も行っています。手術自体は当院で実施可能です。

直腸脱はどうやって治す?

直腸脱は、内服薬など保存療法では根本的に改善しません。治療には手術が必要です。しかしながら、現在のところ再発や合併症の観点から「唯一の標準術式」は確立されていません。

①腹腔鏡下直腸固定術

当院では、身体への負担を最小限に抑えることと根治性のどちらも重視した、腹腔鏡手術を用いた治療を第一行っております。腹腔鏡手術には、メッシュを使用する方法(Wells法・Ripstein法など)」と「メッシュを使わない方法」があります。状態によって使い分けております。具体的には、仙骨の前面を剥離し、弛んだ直腸を上方に引き上げ、仙骨の岬角と呼ばれる部分にメッシュを巻きつけ固定するか、糸で固定します。肛門き括約筋が極度に緩い方はThiersh法という肛門を糸で狭くする処置も追加します。

➁デルロメ法・アルテマイヤー法、
ガンツ三輪法(経会陰手術)

下記のような、日帰り腹腔鏡手術が困難と考えられる方に対しては、腹腔鏡ではなく肛門からアプローチする従来法を行います。全身麻酔ではなく、局所麻酔で行いより負担はありませんが、再発率が高いのが特徴です。安全面を考慮しこちらをお勧めすることもあります。こちらの術式も、日帰りで対応可能です。一度ご相談ください。

日帰り腹腔鏡手術が困難な場合

以下のような方には、日帰り手術の適応が難しい場合があります。

  • 全身麻酔リスクが高いと判断される方
  • 高齢でリスクの高い方
  • 日常生活で支障が少なく、手術への意欲が低い方(病識の薄いケース)
  • S状結腸過長症を併存しているケース

このようなケースでは、安全性を最優先に考慮し、入院施設のある医療機関を紹介させていただくことがあります。

直腸脱の日帰り手術の費用

直腸脱の手術は保険が適用されるため、施設間で大きな差はありません。ただし、負担割合など患者様ごとに費用は異なります。あくまで目安として参考にしてください。

  1割負担 3割負担

直腸脱手術(腸管切除伴わない場合)

 約9,000円 約27,000円